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「母べえ」 監督:山田洋次 

お話に深く戦争が関わってくる作品です。
貧しくても心は温かく…というだけの単純な作品ではありませんでした。
(いや、単純じゃないか、むしろ一番深いところだよなぁ)
戦争をその片鱗すら体験していない私達。
無残であろう、酷かろう、惨かろうと想像をしても、それはどこかリアリティがなくて。
ふとすると、だけど心は暖かかったのでは…などと良い想像にすらしてしまうのだけれど。
こういった話に触れる度、そんな甘い想像に楔を打ち込むように「想像」を与えてくれます。

今、こうして自分達の足で立って、なに不自由なく暮らして、ご飯を食べて、働いて、疲れたーなどと言っているけれど。
戦後、戦時中、戦前、更に遡って外の国と交わる前にも日本の中で繰り広げられた戦の嵐、嵐、嵐。
潔い志も強い情熱も暗い欲望も渦巻いて、戦の中にそれぞれ様々な思惑が絡んでいたのだろうし、だけどそれを知らぬままも有無を言わせず巻き込んできた戦乱戦火の世の中がずっと続いてきて、今のこの時代があるわけで。
そうしてこの国は築き上げられてきたわけで……。
だから、こうした世界に触れると胸がぎゅっと締め付けられるのです。
この時代に甘えすぎてるなぁ、忘れすぎてるなぁと思って。

日本の女性、母親。
かつての女性達と、今を生きる女性とはやっぱり何かが絶対的に変わってしまっているのでしょうね。
時代の流れなんでしょうけれど……というか、私も当事者か。
今は男女平等、男尊女卑根絶が当然、強い女性がどんどん表舞台に立っていますね。
私も「女のくせに」とか「やっぱり女だから」とか言われると、正直にムカッときますよ。そりゃ。
でも江戸仕草の本だったり、歌舞伎だったり、あるいは戦時を生きてきた方々の話だったり。
そうした世界、話、かつての時代に触れると、ふと恥ずかしくなるのも確かなのです。
何か、根本的なものを置き去りしているような感覚。
理屈だけで走っているような感覚。
「塩梅」というものをおろそかにしている、それすらないようにしているような……。
吉永さんの演技を見ても、一歩引いて影を踏まずといった楚々とした風情の中に凛とした強さ、芯をもつ女性を感じられて、本来の日本の女性ってこういうことではないかしらとも思ったりして…。
いや、「女性」云々ということを置いておいても、少なくともほんの小さなことでも母親がただ「ぎゅっ」と抱きしめてくれる、信じてくれる、きちんと話を聞いてくれる、家族の心が繋がっている。
こうした当たり前のことが当たり前となっていた時代と、現代と、やっぱりここでも確かに変わっているんでないかなぁと感じられたりして。
価値観が天地まっさかさまにひっくり返っちゃったのかな。

あー、こんな事をぐるぐると考えてしまうので、戦争のお話は苦手です。
だけど、観て本当に良かった。
母べえの最後の台詞にぐっと心が掴まれました。
悲しくなると同時に、だけど最後に、あの時代をそう言って切り捨てた母べえの言葉に、思わぬ強さを見たような気がして。
吉永さんの温かく強い母親は本当に必見でした。
そして、よく脳みそを使うことのできた作品でした。(ふぅ~)


……あ、そういえば声優3人、知ってる人が出てました。
田中真弓さんと富沢美智恵さんと西原久美子さん。
あれ、某ゲームでの人たちでなかったっけ。
このゲームで舞台とかもやってなかったっけ。えーとえーと。
いやー、EDロールでそんなこと考えていたから、危うく滂沱の涙から救われました……(苦笑)
後で聞いたら友達が他にも一人挙げていたから、声優さん4人出ていたのかな?

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